SNStの訪問看護過程について
- 看護過程とは患者が抱えている問題を包括的に捉え、それらを解決していくプロセスであり、看護活動の基本である。
- 看護過程は、情報収集→看護診断→計画立案→実施→実施の評価→フィードバックの循環で問題の解決へ向かう。
- 看護過程は、チームで看護を実践を行うときに不可欠な情報であり、SNStは看護過程をチームで共有できるようにデザインした。
- SNStで展開する看護過程は、多職種連携にも使えるように、既存の看護理論にはこだわらず、多職種と共有できる表現を追求した。
看護問題リストについて
- SNStでは「看護診断」という言葉を使わず「介入が必要な状態」と表現した。これは、問題を発生させる原因(E)である。
- 利用者の「介入が必要な状態」は身体面、精神面、生活面から捉え、5つ以内で整理できると考えている。
- 「介入が必要な状態」はいくつかの問題(P)を発生させる。解決目標や介入計画を立案しやすいように2つ表記する。
- これらの問題は、医療チームのメンバー(医師、ケアマネ、薬剤師等)および利用者本人、家族が理解し共有できる表現とする。NANDAなど看護特有の表現は避ける。
- このリストは優先順位の高い順に表記されるが、順番は適宜変更できる。
看護過程の展開
- 看護過程は、問題の解決目標を明示し、解決のために介入する。介入結果は目標の達成度で評価する。
- まず、全体的な目標を示し、いくつかの問題の解決目標が最終的に目指すところを明らかにする。このことは、介入が異なる多職種の方向性を一致させることにつながる。
- 各問題についても、目標を設定し、その達成度で介入の評価を行う。
- 評価は「悪化」「やや悪化」「不変」「やや改善」「改善」と表現する。
- 各問題の解決の計画は「観察(OP)」、「介入方法(TP)」、「指導・連携(EP)」で立案する。
- 一般的にEPは患者や家族に対する指導(教育)計画だが、在宅医療においては、多職種連携計画であり、そこに指導的内容も含まれる。
- 看護過程の各項目の見直しを行うことで、看護過程が日々の実践の中で活かされる。
入力の際に字数制限があること
- 「看護・リハビリ過程展開」の各項目は、各種帳票へ転記されるため、転記先のスペースに合わせて字数制限がある。
- これまで看護師が作成した記録では、文章が長く、論理性や客観性に欠けるものが見られた。このような記録は、相手(特に多職種)には伝わりずらいものとなる。
- 訪問看護がどのような視点と考えを持ち、看護実践をしているかを伝えるには、要点を的確に、かつシンプルに表現することが効果的と考えられる。
- 字数制限により、物事のエッセンス(本質)を伝える訓練ができる。
看護過程のWeb化により期待できること
- 日々の実践を計画に基づいておこなうことで、ケアの統一が図られる。
- 看護計画の立てっぱなしを防ぎ、常にケアの質を見直すことができる。
- 看護計画を変更する過程では、思考の繰り返しや学習が必要なので人材の育成にもつながる。
- システム上発生する文字入力規制の中で、相手に伝わる表現の工夫が求められるが、そのことは客観的で誤解の少ない伝達能力の習得につながる。
SNSt導入ご希望の方へ
(一社)訪問看護システムサポート研究会
メールアドレス:khayashi@laughwell.co.jp